ホーチミンからひと足のばして
南部の小さな町へ
ベトナム最大の都市、ホーチミンから郊外へひと足のばせば、雄大なメコン川を中心とした大自然や素朴な町並みと出合うことができます。
都心では味わえないベトナムの原風景が広がる、ホーチミンから日帰りで楽しめる観光スポットをご紹介します。
ミトー
ホーチミンから南部へと下った、メコンデルタの玄関口であるミトーはメコン川とともに暮らす人々の生活に触れることができる町です。ミトー観光の目玉といえば、メコン川支流でのジャングルクルーズ。
メコン川はベトナム南部に広がる肥沃な湿地帯メコンデルタ地方に流れる、東南アジア最長の川。ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムと東南アジア5か国を流れています。
木漏れ日がさす密林の中を、手漕ぎボートに乗ってのんびりと川下り。川の両脇には民家があり、地元の人々の暮らしぶりをボードから間近で見ることができるのもクルーズならではの体験です。ジャングルクルーズは、ホーチミン発のツアーに組み込まれていることが多く、果樹園見学やココナッツキャンディー工房の見学とセットで楽しめるものが一般的です。
カントー
メコンデルタ最大の都市で、街の中心部にメコン川の支流が流れていることから「川の都」とも呼ばれています。また、交通の要衝としても機能しています。
カントーは南国フルーツや穀物の栽培が盛んな土地で、毎朝各地で水上マーケットが開催されています。なかでも最も活気があり、観光客でも気軽に見学できるとおすすめなのが、カイランのメコン川支流で行われる水上マーケット。夜明け前から果物や野菜、魚を積んだ大小の手漕ぎの船が集まり、ベトナム最大級の水上マーケットとして多くの商売人が集まります。船の上から値段交渉しながらの買い物も、観光の楽しみ方のひとつです。
クチ
ホーチミン北西に位置する小さな田舎町のクチは、ベトナム戦争において南ベトナム解放民族戦線の基地が置かれたかつての激戦地。現在は当時の軍人たちの生活の様子や罠の数々を見学することができます。クチトンネルは全長200kmを超える地下トンネルで、現在は一部が公開されています。トンネルの内部は作戦会議室や食堂、兵器の製造所が置かれ、ベトナム軍の当時の様子を今に伝えています。その複雑な構造ゆえに、アメリカ軍が最後まで攻略できなかったとも言われています。
タイニン
タイニンはホーチミン北西に位置し、カンボジアと国境を接する町。ベトナム南部に多くの信者を持つ宗教、カオダイ教の総本山があることで有名です。
カオダイ教は世界の三大宗教であるキリスト教、仏教、イスラム教に加え、儒教や道教を融合した新興宗教で、「カオダイ寺院」はその総本山にあたります。タイニンの人々の多くがカオダイ教を信仰しています。