少数民族が暮らす山間の避暑地
サパを訪ねる
首都ハノイから約300km離れたサパは、中国との国境近くにある山岳地帯の町。標高が高く夏でも涼しいため、高原リゾートとして愛されています。サパの最大の魅力は、青々としたライステラスが広がる開放的な景色、少数民族の昔ながらの生活が残るのどかな風景。ハノイから現地ツアーなどを利用して訪れることができます。
サパへのアクセス
旅の起点となる都市はハノイ。以前はバスを乗り継ぎ10時間以上かかった秘境の町・サパへの旅路ですが、現在は高速道路が開通し、アクセスが便利になりました。ハノイから出発する観光バス「サパエクスプレス」に乗れば、約6時間でサパに到着。旅気分を味わいたいなら、寝台列車というアクセス方法もあります。
サパ教会
かつてはフランスの植民地だったサパ。町の中心にはフランス人建築家によって建設されたという石造りのカトリック教会があります。1954年、インドシナ戦争のさなかに起きたディエンビエンフーの戦いで一度は破壊されてしまったものの再建され、現在も市民の信仰の場として大切にされています。また、教会の前の広場には民族衣装を身につけた女性たちが集い、憩いの場として親しまれています。
ハムロンの丘
サパ教会の裏手の階段を進んで行くと、「ハムロンの丘」と呼ばれる自然公園があります。公園内は手入れされたフラワーガーデンになっており、さらに遊歩道を上って行くとゴツゴツとした岩場が広がり、頂上付近にはサパの街を一望にできる展望台も! 山岳地帯ならではの絶景を楽しむことができます。
絶景のライステラス
標高1,600mの山岳地帯に広がるサパ。町の周辺は険しい山々に囲まれており、斜面には、見渡す限りのライステラスが。トレッキングツアーも行われており、田園風景と雄大な山々の景色を満喫できると評判です。トレッキングを楽しむなら、雨が比較的少ない3~5月、10~11月がおすすめです。
カットカット村
サパの周辺には小さな少数民族の村が点在しています。そのひとつで最もサパから近いのが、「カットカット村」。少数民族の黒モン族の生活を垣間見ることができます。村には美しく手入れされたライステラスが広がり、黒モン族に伝わる伝統の藍染めやろうけつ染めの制作風景を見ることもできます。民族ダンスのショーなどもあり、サパから日帰りで観光できます。
民芸品をおみやげに
サパのお土産といえば、少数民族が作る刺繍や織物の布製品。周辺の山岳地帯では花モン族や黒モン族といった複数の少数民族の村があり、それぞれの民族ごとに伝統の技法があります。女性たちが手作りの布を持って商いをするため、サパには色やデザインも異なる様々な布雑貨が集まってきます。ポーチや小さなバッグなど、商品のバリエーションもいろいろ。カラフルな布雑貨をお土産に持ち帰ってみてはどうでしょうか。
サパのおすすめグルメ
田園地帯が広がるサパには、お米はもちろん野菜や川魚、アヒル、水牛、豚など高原地帯ならではの豊かな食材が。それらを使った、少数民族に伝わる素朴なサパの郷土料理を楽しめます。街なかの食堂やホテルのレストランでは植民地時代の名残であるフランス料理も味わえます。お酒を楽しむなら、サパならではのライスワインにも挑戦してみて。
ひと足のばしてバックハーへ
サパからのショートトリップとして人気なのが、サンデーマーケットで有名なバックハー。バックハーはサパから車で約2時間30分程度の小さな町で、毎週日曜日の朝に、周辺の山岳民族の人々が集まる市場が開かれます。日用品や生鮮食品など地元の人々の生活必需品のほか手作りの工芸品もが並び、ツーリストに大人気。広場を中心にパラソルを広げたお店が並び、賑やかな雰囲気が魅力です。