絶景の世界遺産
ハロン湾クルーズへ
北部にある首都ハノイから約170km離れたハロン湾は、エメラルドグリーンの海に石灰岩の小島が浮かぶ景勝地。その景色は中国の桂林にたとえて「海の桂林」と呼ばれています。1994年にユネスコの世界遺産(自然遺産)にも登録され、各地から多くの観光客が訪れます。そんなハロン湾でぜひ体験したいのが、船で湾内を遊覧する「ハロン湾クルーズ」。神秘的な景色に心洗われる絶景の旅をご紹介します。
ハロン湾とは?
約1553㎢もの広大なエリアに、大小約3000もの奇岩群と多数の鍾乳洞が点在するハロン湾。かつての石灰岩台地が沈降し、長い年月をかけて現在のようなカルスト地形になったといわれています。「ハロン」は漢字で「下龍」と書き、天から龍が舞い降りたという伝説に由来しているそう。ベトナムが中国に侵攻された際に龍が敵を打ち破り、口から吹き出した宝石が奇岩群に姿を変えたと伝えられています。11~13世紀の李朝時代には国際貿易の拠点として栄え、19世紀~20世紀中頃の阮朝時代には皇帝もその風景を愛し足を運んだといわれています。
プラン&アクセス
ベトナム北部のクアンニン省に位置するハロン湾は、首都ハノイから車で約4時間。往復の送迎&クルーズ体験が付いた現地ツアーに参加するのが一般的です。朝ハノイを出発し、ハロン湾でのランチクルーズを楽しんだあと、夕方ハロン湾を出発。夜にはハノイに戻れる日帰りツアーが人気です。日程に余裕があれば、客船に宿泊できる1泊2日クルーズに参加するのも一興。ハイシーズンは11~3月頃で、昼間の気温が20℃前後と過ごしやすい気候が続きます。
クルーズ体験
クルーズツアーは、4~5時間でハロン湾のハイライトをめぐるコースがスタンダード。そそり立つ巨岩を間近に望んだり、親指岩・闘鶏岩といった名物岩を船上から眺めることができ、自然が織りなす造形美を目の当たりに。
途中、小舟に乗った地元の行商がフルーツやみやげ物を売りに来ます。ちなみにハロン湾は曇りの気候が多く、快晴の日は珍しいとか。快晴の日はエメラルドグリーンの海、曇りの日は水墨画のような幽玄な光景が広がり、どちらも絶景です。
シーフードランチ
日帰りクルーズツアーなら、船上でランチを楽しめるプランを選ぶのがおすすめ。船内にはレストランさながらのゆったりとしたテーブル席があり、ハロン湾のシーフードを味わうことができます。ランチがスタートすると、エビやカニ、貝など新鮮な魚介がテーブルにずらり! 窓の外にはもちろん、ハロン湾の絶景が広がっています。食べ終わったら、外のデッキに出て潮風を感じて。
手漕ぎボートで奇岩の入江へ
かつては家や市場、学校まであり、水上生活を営む人々が数多くいたというハロン湾。現在は手こぎボートの船頭さんや漁師など一部の人が水上生活をしているそう。湾の中には水上生活の場である大きな筏があり、クルーズの途中で上陸できます。手こぎボートの乗り場があり、そこから小舟に乗り換えてプチクルーズへ! まるでアーチのようになった奇岩をくぐり、岩に囲まれた入江を一周。ダイナミックな石灰岩を間近に見ることができます。
洞窟探検
洞窟探検はハロン湾観光のハイライト。数ある鍾乳洞のなかでも、タウゴー島にあるティエンクン鍾乳洞が人気のスポットです。島に上陸したら、まずは階段を上って鍾乳洞の入り口へ。階段は山の斜面に沿って約100段もあり上るだけでもひと苦労ですが、後ろを振り返れば見渡す限りのハロン湾の絶景が広がっているので、その景色だけでも一見の価値あり。
洞窟内に入ると、数千年の歳月をかけてできたダイナミックな鍾乳石の自然美に圧倒されます。洞内は気温20℃前後と、夏場でもひんやり。ライトアップされた幻想的な洞内を探検できます。
ひと足のばしてハイフォンへ
ハロン湾の日帰りツアーには、近郊の街に立ち寄れるプランもあります。せっかく遠出するからには、ベトナム北部のローカルな街を訪ねてみてはいかがでしょうか。ハロン湾から車で約1時間のハイフォンは、北部最大の港町。まだ観光地化されていない、活気ある地元の人々の生活を垣間見ることができます。お目当ては港町ならではのシーフード。ハイフォンの名物の「バイン・ダー・クア」は、サトウキビの汁を練り込んだ米粉麺を、カニをふんだんに使ったスープでいただくご当地グルメです。