フランスの文化香るルアンパバーンのコロニアルホテルと「食」 を巡る
ルアンパバーンといえばその風光明媚な町並みや静謐な托鉢の様子、そしてナイトマーケット。そのどれもが正しいイメージですが、一方でフランスの植民時時代に建てられた建築物が並び、ヨーロッパとアジアがミックスした食文化やホテルも魅力のひとつ。ルアンパバーンの楽しみ方とともに、個性豊かな宿事情やグルメについてご案内していきましょう!
世界遺産の情緒あふれる町並みへ

ルアンパバーンがラオスで初めての世界遺産になったのは1995年のこと。ラオスらしい仏教寺院や托鉢の風景にフランス植民地時代の建物が共存する町並みは唯一無二で、町全体が世界遺産となった理由でもあります。2000年代以降になると、世界各国のメディアが次々に「行くべき町」としてルアンパバーンを紹介したことで、さらに人気に火がつきました。
1353年から1560年にビエンチャンに遷都するまで、ラーンサーン王がルアンパバーンに都をおいたことで、格式高い伝統や文化が残り続けているこの町には、今、カフェやかわいらしい雑貨ショップなどさまざまな店が軒を連ねるようになりました。ほとんどの店はメインストリートであるシーサワンウォン通りやサッカリン通りに集まっていますが、中心地を離れたところにもすばらしいコロニアルホテルが点在しているんです。


ルアンパバーンを訪れるのは飛行機かバスが一般的でしたが、2021年に待望の鉄道駅が誕生。ビエンチャンからバスで10時間以上かけていたところ、鉄道開通のおかげで列車に乗れば急行で約2時間、普通列車でも約2時間40分と約5分の1まで短縮されたのも旅行者にはうれしいポイント。ひとつ問題なのは、町の中心と駅が離れていること。ここは乗り合いバンを利用して宿泊する宿の近くで降ろしてもらいましょう。
夕方になると前述したシーサワンウォン通りとサッカリン通りはナイトマーケットのため通行止めになり、通り沿いのレストランやバーも夜遅くまで観光客でにぎわいます。そうかと思えば、ルアンパバーンは朝も早い!朝5時台には地元の人々が起き出し、托鉢の列が次々と現れます。その後はシーサワンウォン通りから1本奥まったところ、ルアンパバーン国立博物館の西側辺りに朝市が出現。野菜や魚介類、スパイスからお肉を売る人々がずらりと並び、ローカルな雰囲気を垣間見ることができます。ルアンパバーンは、夜も朝も見どころに満ちあふれた町なのです。
町なかに多く建ち並ぶコロニアルホテルに泊まろう!

ルアンパバーンは一大観光地ということもあって、ゲストハウスやホステルから外資系の高級ホテルまでさまざまな価格帯やブランドの宿があります。買い物や町歩きを楽しみたいなら、シーサワンウォン通り沿いやそこから細い小道に入ったところで探すのがおすすめ。ドミトリーなら日本円にして1,000円ぐらいから、個室でホットシャワーありでも2,000~3,000円から。高級ホテルは時期を選べば1室10,000円台から泊まれることもありますよ。シーズンによって値段も変動するので、中級~高級ホテルを探しているなら、各種予約サイトをのぞいて比較検討してみましょう。
節約旅派は安宿に泊まることになると思いますが、ある程度ウェブサイトやクチコミ、旅行ガイドブックであたりをつけて行くのがいいでしょう。安宿の場合、バスで移動する観光客が多く泊まっていることもあり、バスの切符をフロントで購入できることも多いのがメリット。出発当日も宿の目の前まで乗り合いバスやトゥクトゥクが迎えてにきて、バスターミナルまで連れていってくれるため、自分ですべて手配しなくてもよいのも助かる存在です。宿泊している宿で予約できない場合は、町なかにある旅行会社などを利用するのがおすすめです。


せっかくルアンパバーンに行くならば、ぜひとも候補としておすすめしたいのがコロニアルスタイルのホテル。植民地時代にフランスの建築様式によって建てられたホテルで、ヨーロッパの邸宅に泊まったような雰囲気を味わうことができます。独立したヴィラタイプの宿、併設のレストランでラオスとフレンチのフュージョン料理を提供している宿、メコン川に面した風景を楽しめる宿など多種多様。
たとえば、世界各国に数多くの高級リゾートを展開している「アマン」グループも、ルアンパバーンに「アマンタカ」というホテルを展開。さらに、アマングループ創始者のエイドリアン・ゼッカ氏が新たなブランド「アゼライ」を最初にオープンさせたのもルアンアパバーンの地だったというから、この町がもつポテンシャルを分かってもらえるはず。現在はアゼライの手を離れ、「アヴァニ+」というホテルに変わっていますが、「アゼライ」時代の建物を使用しているので、その建築や敷地のすばらしさを実感することができます。
フレンチやイタリアン、やカフェ巡りも楽しいルアンパバーン

「食」もまたルアンパバーンの楽しみのひとつ。ラオスというと、一般的に米麺のカオ・ピヤックや北部限定の肉味噌麺カオ・ソーイ、ひき肉と香草を炒めたラープなどを想像する人も多いかもしれません。もちろん、こうしたラオス料理もルアンパバーンで食べることができますが、ラオス料理とヨーロッパ料理を掛け合わせたフュージョン料理や王道のフレンチ、イタリアン、窯焼きピッツァなどもレベルが高い!なかには本場のフランス人がオーナーを務める店もありますが、どことなくアジアらしさも感じられる品々は日本人の口にも合うはずです。


一方、カフェやベーカリーも負けてはいません。ひと昔は、バゲットにハムやキュウリが挟まれたサンドイッチ「カオ・チー・パテ」の屋台を多く見かけましたが、今はおしゃれなベーカリーが町に点在。バゲットだけでなく、本格的なクロワッサンや甘いペストリーまでついついハシゴしたくなる店が多いんです。高級ホテルのなかには、人気ベーカリーのパンを朝食で出してくれるところもあり、毎朝が楽しみに。コーヒー豆の栽培が盛んな地域だけあって、カフェでも挽きたてのおいしいコーヒーとケーキが楽しめますよ。
ルアンパバーン1泊2日のモデルプランを紹介!

最後に、ルアンパバーンを訪れたい!という人に1泊2日でも最大限満喫できるモデルプランをご提案。さらに泊数を延ばしたい人は、カフェを開拓したりオプショナルツアーで郊外に行ったり、ときにはコロニアルホテルをハシゴしたり……。また、ラオスに点在する民族の紋様を使ったファブリック製品や衣類、アクセサリーなどオリジナリティあふれるショッピングもできちゃいます。さまざまな楽しみ方で過ごしてみてくださいね。
1日目
昼頃 ルアンパバーン到着→到着後、宿に荷物を置く
14:00 シーサワンウォン通りやサッカリン通りを散策
15:00 ルアンパバーン国立博物館やワット・シェントーンを見学
17:00 プーシーの丘に登って夕日を眺める
18:30 ナイトマーケットをぶらぶらしながらショッピング
19:30 ピッツェリア「ポポロ」でディナー
21:30 サッカリン通りのバーで一杯
2日目
5:30 托鉢を見学後、7:00頃から始まる朝市もぶらぶら
8:30 「ル・バントン」でパンの朝食セットをいただきます
9:30 郊外でタート・クワーンシーの滝を見学
12:00 市内に戻ってきてランチ
午後 別の町へor帰国の途へ