ラオスが誇るヒーリングスポット
滝&南部島めぐり
ある滝は、ごうごうと大音響をとどろかせ
またある滝は、噴霧を白くたてて、滝つぼへと落ちる。
ラオスは知られざる滝大国だった?
「手つかずの自然がある」「東南アジア最後の秘境」などと言われるラオスは、知る人ぞ知る滝大国でもあります。とくに有名なのは、ルアンパバーンのクアンシーの滝。段差のある岩を、清流が流れ落ちる様子は言葉を失うほどダイナミック。滝つぼはきれいなエメラルドグリーンで、泳いでいる人たちで大賑わい。遊歩道も整備されています。南部にもたくさんの滝スポットがあります。たとえば、「ソンパミットの滝」。
ダイナミックさを求めるなら雨季がおすすめ!
高さはないものの、幅が広くて段々になっている岩肌を、水が這うように流れ落ちていく「ソンパミットの滝」は、日本で見慣れた滝のイメージとは異なります。「これは滝なのだろうか」と思ってしまいますが、確かに滝です。
訪れたのは雨季まっただ中だったので、水量も半端なく、ぐぉ———と、大音響をとどろかせながら、茶褐色の流れが、後から後からやってきて、見ているほうも流されてしまうような恐怖と錯覚をおぼえるド迫力。
流れに沿って散歩道を歩いて行くと、どんどん川幅が広くなったかと思えば、支流が合流したりと、とっても変化に富み、もはや、どこからどこまでが滝なんだか、わからなくなりました。
さて、次に訪れた滝は、「コーンパペンの滝」。いやいや、さきほどの「ソンパミットの滝」は前座でした、と思ってしまうくらいの、とてつもない大迫力に、しばし言葉を失いました。
ガイドブックには、「滝幅世界一」と認定されたとあります。全幅、1万783メートルとか。イグアス、ナイアガラ、ビクトリアの世界三大瀑布を抑えての、堂々1位。
現地に来るまでは「ホントかねえ」なんて思っていましたが、この姿を目にすると、大納得です! いや、もはや、「幅」がどこからどこを指すのかなんてわかりませんが、とにかく、迫力満点、すごい、すごい! あっちから、こっちから、水がごうごうと音をたてて流れています! こんな風景、これまで見たことがない!
こんな激しい流れの中、釣り竿を垂れている現地の人(多分)もいました。すべらないようにね、と心の中でつぶやきましたが、現地の人にとってはなんでもないことなのでしょう、きっと。
もう一つ、ご紹介したいのは、「タート・ファーンの滝」です。これは、まさに「ラオスの華厳の滝」!(と勝手に命名)。
先の2つの滝は、川幅が広いものの、落差の点ではイマイチ。しかし、この「華厳の滝」は、ラオス最大の約200メートルの落差を誇るそう。
しかも、滝は1つではありません。2筋の白く美しい流れが、まっすぐに滝つぼに、吸い込まれるように落ちていくのです。潔いその姿に、気分スッキリ。
私が訪れたのは以上3ヵ所でしたが、南部には、他にも複数の滝があります。滝マニアにはたまらないエリアであること、間違いなしです。
ただ、ダイナミックな滝を見たいのであれば、雨季に行くことをおすすめします。乾季は水の量が少なくて、迫力にやや欠けるとか。でも、そんな姿も見てみたい。それもラオスの自然なのですから。
水牛がのんびり歩く島をめぐる
ラオス南部は、日本人にはあまり馴染みがなくあまり知られていないエリアです。中でも“最南部”に流れるメコン川の向こう岸は、もうカンボジア。ふと、スマホを見ると、「Welcome to Cambodia!」と、電波が入ってきたりして、一瞬驚きます。
このカンボジアとの国境を流れるメコン川一帯は、「シーパンドン」と言われるエリア。「シーパンドン」とは「4000の島」という意味で、大小さまざまな島が点在しています。小さな無人島もあれば、川沿いに小洒落たゲストハウスを整えている島もあり、欧米人には人気のエリアだとか。
観光コースとなっているのは、コーン島とデット島。この島をめぐるには、自転車がいいそうですが、私が利用したのは、トゥクトゥクのような乗り物。ベンチ付きバイクといった感じのものです。
何度も、水牛が通り過ぎるのを待ちながら、もしかしたら歩いたほうが速いかもしれない速度で、風を感じながらゆるゆると島をめぐっていきます。とくに目新しい観光スポットがあるわけでもなく、ただひたすら、のどかな田舎道を行く。素朴という言葉がぴったりの風景の中を、ゆっくりと進みます。
島から島への移動は、もちろんボート。ボートの上や岸辺から見える水平線は、とても川とは思えず、まるで海のように広大です。メコンの、ラオスの、雄大な自然を実感できるエリアです。