日本ではあまり見ることのない野鳥を楽しむ
カンボジアでバードウォッチング

カンボジアには政府が定めた20を超す野生動物保護区域があります。動物はもちろん、鳥類を含む野生動物の保護を目的とした取り組みがされており、見学ができる施設もあります。その中から比較的アクセスがよく、外国人旅行者にも人気の4つの保護区をご紹介します。

2022.03.17

プレックトアール鳥獣保護区

全長150センチメートルほどになるホシバシペリカン
全長150センチメートルほどになるホシバシペリカン

プレックトアール鳥獣保護区はトンレサップ湖の北西部、バッタンバン州に位置する東南アジア最大級の水鳥のコロニーです。この保護区では、アジアヘビウ、ホシバシペリカン、鵜、カワセミなど150種以上の鳥類が生息しており、ボートクルーズをしながらバードウォッチングを楽しむことができます。

野鳥の巣となっている木々が多くある
野鳥の巣となっている木々が多くある

ここまでのアクセスは、シェムリアップからバッタンバン方向にボートで片道2時間程度で、クルーズの途中には東南アジアならではの水上生活や漁のようすも垣間見ることができます。ベストシーズンは11月から1月中旬です。

プレックトアール鳥獣保護区 Prek Toal Bird Sanctuary

アンロンプリン野鳥保護区 

夜明けには様々な種類の野鳥が飛来する
夜明けには様々な種類の野鳥が飛来する

アンロンプリン野鳥保護区は、カンポットの町から東へ約40㎞のコンポントラッチの南部にあり、広さは217ヘクタールあります。ここでは、空を飛ぶ鳥の中で最も背が高いと言われるオオヅルが見られます。オオヅルは、全身は淡灰色の羽毛で首回りの皮膚が赤く、全長は1.6mにもなり、草原や湿地を好んで生息します。この保護区では、毎年1月頃から4月頃まで見学が可能となり、ピークの2月には100羽以上(カンボジアに飛来する30%程度)が訪れます。

アンロンプリンには 100羽以上のオオヅルが訪れる
アンロンプリンには 100羽以上のオオヅルが訪れる

見学する際は、夜明け前に保護区の展望台に行き、そこで待つのみです。しばらくするとさまざまな野鳥が飛来してくるのでゆっくり楽しんでください。

アンロンプリン野鳥保護区  Anlong Pring Crane Bird Sanctuary

アントラッピアントモー保護区 

12,650ヘクタールに広がるアントラッピアントモー保護区には、200種以上の鳥類が生息し、そのうち18種は絶滅危惧種または準絶滅危惧に分類されています。

ここはオオヅルの餌場としても有名ですが、マレーモリフクロウ、コブガモ、カラフトワシ、インドトキコウ、レンカクなども見られます。シェムリアップの町から約100kmのバンテアイミエンチェイ州に位置しており、車で片道2時間程度、見学のベストシーズンは1月から5月とされていますが、1年を通して多くの鳥類が生息しており、1日に80種以上の鳥を観察できることも珍しくありません。3月から4月にかけてはオオチドリが見られることもあります。

アントラッピアントモー保護区  Ang Trapeang Thmor Bird Sanctuary

シェムパン野生動物保護区 

シェムパン野生動物保護区はカンボジア北東部、メコン川の東に位置するストゥントレン州シェムパン郡の森林地帯にある保護区です。総面積は132,321ヘクタールで、環境省とストゥントレン州環境局によって管理されています。

ここには、オニトキ、アカアシトキ、ミミハゲワシ、ハシボソハゲワシ、ベンガルハゲワシの5種の絶滅危惧種の鳥類が生息しており、環境局はハゲワシの生息維持のために定期的に餌として牛などの肉を与えています。野鳥以外にも野生のターミンジカなども見学できます。

シェムパン野生動物保護区  Siem Pang Wildlife Sanctuary

 

ご紹介したエリアの他にも、クーレン・プラム・テップ野生生物保護区、ケオ・セイマ野生生物保護区、プノン・クロム湿原、チャトモック湿原、ボーコー国立公園などがあります。

 

文・写真: クロマーツアーズ

 

 

 

 

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