ハノイからひと足のばして伝統の工芸村へ

ベトナムの首都、ハノイの郊外には、長い年月をかけて受け継いできた職人たちの技が光る工芸村が点在しています。伝統の手仕事を間近に見て、時には体験し、歴史が息づく逸品にふれるひととき。ハノイから日帰りで訪ねることができる職人の村をご紹介します。

2026.03.15

バッチャン

ハノイ中心部から東南へ車で約40分。ホン川のほとりに広がるバッチャンは、700年以上の歴史をもつ陶芸の村です。今も村の多くの人々が陶器づくりに携わり、陶器専門店や工房が点在しています。

専門店には、赤や青でトンボや蓮、菊などの伝統柄を描いた器をはじめ、カップ&ソーサーやプレート、箸置き、コーヒーフィルター付きマグカップといったベトナムらしい品々がずらり。素朴な日用品から作家ものまで幅広く、見て歩くだけでも心が弾みます。専門店が集まった陶器市場に足を運んでみるのもおすすめです。

工房では成形や絵付けの様子を間近に見学でき、職人の手仕事の確かさを実感。さらにバッチャン陶芸博物館に足を運べば、村が歩んできた歴史や技の変遷を、展示を通して知ることができ、散策はいっそう奥行きのあるものになります。

 

バッチャン焼がところ狭しと並ぶ陶器市場。小売店が集中しているのでまとめ買いにもおすすめ。
バッチャン焼がところ狭しと並ぶ陶器市場。小売店が集中しているのでまとめ買いにもおすすめ。
専門店ではモダンなデザインのバッチャン焼を探してみるのも楽しみ。
専門店ではモダンなデザインのバッチャン焼を探してみるのも楽しみ。
絵付けの様子。素焼きしたものに、下書きはせずに手作業でトンボや蓮を描いていく。
絵付けの様子。素焼きしたものに、下書きはせずに手作業でトンボや蓮を描いていく。
ロクロがモチーフの外観が目を引くバッチャン陶芸博物館はフォトジェニックスポットとしても話題。館内には制作体験スペース、ショップ、レストラン&カフェもある。
ロクロがモチーフの外観が目を引くバッチャン陶芸博物館はフォトジェニックスポットとしても話題。館内には制作体験スペース、ショップ、レストラン&カフェもある。

ヴァンフック村

機織り機の「ガタン、ガタン」という音が心地よく響くヴァンフック村。ハノイ中心部から南西約10kmにあるこの村は、王朝時代に王室へ献上する絹を織っていたことで知られる、由緒あるシルクの里です。王朝の終焉とともに一時は衰退しますが、村人たちの手で復興。国際展示会で高く評価されたことをきっかけに、その名は世界へと広まりました。

通りにはシルク生地やワンピース、スカーフなどを扱う専門店が並び、手ごろな価格で選ぶ楽しさも魅力。工房では機織りや撚糸の様子を見学でき、繊細な職人技に触れることができます。メトロ2A号線でアクセスでき、中心部から気軽に訪ねられるのもうれしいところです。

シルクを使った洋服や小物を販売する専門店がずらりと並ぶ通り。開店時間が遅い店が多いので、買物を楽しむなら午後に訪れるのがおすすめ。
シルクを使った洋服や小物を販売する専門店がずらりと並ぶ通り。開店時間が遅い店が多いので、買物を楽しむなら午後に訪れるのがおすすめ。
工房では作業の妨げにならないように見学しよう。工房は12時前から14時くらいまで休憩をとるので、正午前後に行くのは避けたい。
工房では作業の妨げにならないように見学しよう。工房は12時前から14時くらいまで休憩をとるので、正午前後に行くのは避けたい。

クアンフーカウ村

ハノイから南へ約35km、田園風景の中にたたずむクアンフーカウ村は、100年以上にわたり線香づくりを受け継いできた村です。近年は、色とりどりの線香の束が広がる光景が話題になっています。赤やピンク、黄色の束が幾何学模様のように並ぶ様子は圧巻で、上から見下ろせばまるで花が咲いたかのような一枚に。

フォトスポットにはノンラーなどの小道具や撮影台も用意され、思い思いの構図で撮影を楽しめます。周辺には線香の製造工場が点在。竹を割る作業や香料を塗る工程も見学でき、伝統の手仕事にも触れられます。

天気の良い日には、線香を並べて仕上げの天日干し。ほんのり線香の香りが漂う。
天気の良い日には、線香を並べて仕上げの天日干し。ほんのり線香の香りが漂う。
植物を使用した香料と可燃剤を粘土状にしたものを、機械を使って手早く芯材のまわりに塗っていく。
植物を使用した香料と可燃剤を粘土状にしたものを、機械を使って手早く芯材のまわりに塗っていく。
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