タイの歴史を訪ねる‐1
古都アユタヤの必訪スポット
バンコクから北へ約80km。1351年にウートン王によって建都されて以来、417年続いたアユタヤ王朝の古都として世界遺産にも登録されています。水運に恵まれた街は国際貿易都市として発展し、その栄華は今も残る遺跡に見ることができます。アユタヤの歴史を辿る必見スポットを紹介します。
ワット・プラ・シー・サンペット
アユタヤ王朝の初代ウートン王時代の宮殿跡に1491年に建造された王室専用の寺院です。かつては高さ16m、重さ171kgの黄金の仏像がありましたが、現在の寺院のシンボルは東西に並ぶ3基の仏塔で、それぞれに王とその王子らの遺骨が納められているといわれています。天に向かって伸びる仏塔は高さ40mほどで、凛とした美しさを湛えています。
ワット・マハタート
13世紀に建造されたと伝わるワット・マハタートは、仏舎利が納められた寺院のひとつ。かつては境内の中央に黄金の仏塔がそびえていたといわれています。現在はビルマ軍の侵攻により廃墟と化してしまいましたが、木の根に覆われた切り落とされた仏頭が一番の見どころになっています。なお、仏頭で記念撮影をする際は、自分の頭が仏頭より高い位置にならないように注意しましょう。
ワット・ロカヤスタラーム
広大な草原に横たわっている巨大な涅槃仏が有名な遺跡がワット・ロカヤスタラームです。高さ5m、全長28mの涅槃仏は1956年に復元されたもので、80歳で入滅したブッダを模しているといわれています。周りに本堂はなく、野外に悠然と横たわり、柔和な表情が印象的です。
ワット・ヤイ・チャイ・モンコン
1357年にアユタヤ王朝の初代ウートン王がセイロン(現スリランカ)に留学中の修行僧たちの瞑想の場として建立した寺院といわれています。遠くからでもひときわ目を引く仏塔は高さ72mで、登ることもできます。
バン・パイン宮殿
アユタヤから約20km南下した場所にある、アユタヤ朝26代プラサート・トン王によって建造されたバン・パイン宮殿は、歴代の国王たちが夏を過ごす別荘として利用されていました。現在の姿は、現王朝のラーマ4世と5世が再建したもの。タイ風や中国風、ルネッサンス風など5つの建物と美しい庭園を見学できます。
日本人町跡
16世紀初頭、御朱印船貿易でタイにやってきた日本人たちが暮らしていた町の跡地。最盛期には2000~3000人以上もの日本人が暮らしていたといわれ、その多くは傭兵としてビルマ軍との戦いに参戦したといいます。現在は日本人町歴史研究センターや日本式庭園のほか、アユタヤ王朝で貴族階級にまで昇進した山田長政の像も設置されています。
アユタヤグルメ
川エビのグリルはエビ味噌もたっぷりで、プリプリの食感が楽しめます。エビ好きならぜひ味わいたい逸品です。ロティ・サイマイはアユタヤ発祥といわれる名物お菓子。パンダンの粉などを混ぜた生地を焼いたモチモチの皮で、シャリシャリとした糸状の砂糖菓子を包んだ不思議な食感を楽しめます。