タイ最東部、ウボンラーチャターニーの見どころ案内
イサーン地方とよばれるタイ東北部の東の果て、東にラオス、南はカンボジアと接するウボンラーチャターニー県。この地には、メコン川流域に広がる圧倒的な自然の造形美をはじめ、先史時代の人間の営みを伝える歴史スポット、素朴で穏やかな人々の暮らしなど、旅行者にまだ知られていないたくさんの魅力が秘められています。
サンパンポーク

メコン川の急流によって浸食された岩石群が広がる景勝地で、川の水位が下がる10月から5月ごろの乾季にのみ見られる風景です。サンパンボークとは「3000の穴」という意味。岩盤にぽっかりと開いた形も大きさもさまざまな穴が天然のプールとなり、水の反射により時間とともに色彩を変えるドラマチックな絶景が広がります。
一帯は川岸から岩を伝って散策できるほか、ボートに乗って少し離れた小島に行くことも可能。奇岩や水の反射を利用した「映える」写真を狙って、自分ならではの撮影スポットを探して回るのが人気の楽しみ方となっています。


セーンチャン滝

岩肌を流れる清らかな川が、長い年月をかけて穿った穴を通って崖下に落ちる美しい滝。滝つぼはシャワーのように水が降り注ぐ天然のプールになっていて、水浴びを楽しむ地元の人々も多く訪れます。「月光の滝」とよばれるように、穴に太陽光が差し込む時間帯は滝が光の筋のように淡く光り輝き、幻想的な雰囲気に包まれます。

パーテーム国立公園
悠久のメコン川を眼下に望む、岩盤と樹木に覆われた高原地帯に広がる自然公園。数万年にわたる地球規模の地殻変動や地震、風雨の浸食などによって形成された自然の造形がすばらしく、奇妙な形をした巨岩群や、地球の裂け目のような亀裂、息をのむような断崖絶壁など、迫力ある絶景の見どころが点在しています。
ハイライトは断崖に描かれた古代の壁画で、およそ3000~4000年前のものと推定されています。描かれているのは人、動物、物や道具、シンボルなどのほか、たくさんの手形が残っているのも特徴。人々が道具を用いて大ナマズを捕っているように見える絵など、太古の昔からこの場所に人間の営みがあったことをリアルに感じることができます。



ワット・シリントーン・ワララーム・プープラオ
ラオス国境近くの丘の上にある仏教寺院で、周囲を見晴らす眺望がみごとです。この寺院の特徴は、本堂背面の壁に描かれた神の木をはじめとする境内のさまざまな装飾に蛍光塗料を用いている点。日が暮れるとそれらが発光して幻想的な空間を作り出します。

ワット・プラタート・ノンブア

ウボンラーチャターニーの市街地にある大寺院。1957年に仏教誕生2500年を記念して、インドのブッダガヤにあるマハーボーディー寺院を模して建立されました。ピラミッド型の白亜の大仏塔は高さが57mあり、金で縁取りされた各層には仏教の物語が描かれています。

また、ウボンラーチャターニーは毎年7月頃に開催されるキャンドル・フェスティバルが有名。寺院の一角にはその祭りで使われた巨大な蜜蝋の山車が展示されているのでこちらも必見です。

ウボンラーチャターニーの名物グルメ
ウボンラーチャターニーでは代表的なイサーン料理が幅広く楽しめるほか、近隣のラオスやカンボジアの影響を感じさせる料理が親しまれています。なかでもご当地麺のクイチャップ・ユアンは、朝昼晩、おやつとしても人気のソウルフード。米粉にタピオカ粉を加えて作る麺は一般的な米麺よりもモチモチした食感で、鶏や豚からとったコクのある熱いスープによく合います。

また、街の各所で見かけるのがカオチーを売る露店。カオチーは蒸したモチ米で作る焼おにぎりのような料理で、シンプルに塩や醤油のみの味付けもあれば、仕上げに溶き卵を塗ったものもあります。手軽なおやつとして親しまれていて、バンコクなどの大都市では味わえない、田舎町ならではの素朴な魅力が感じられます。






