オスロブで体験するジンベエザメウォッチング
魅力・観光ルール・行き方

野生動物との共生を考える、最新の観光ルールと体験ガイド。

 

セブ島南部のオスロブでは、世界最大の魚であるジンベエザメを船上や海中から観察できます。白い斑点に覆われた巨体が水面近くをゆっくりと進み、船上では背びれや体表、水中では全身の動きを見られることが、この体験の大きな特徴です。現在ではセブを代表する人気観光スポットの一つであるアクティビティの魅力に加え、地域住民の暮らしとの関わり、保全上の課題、参加者が守るべきルールを紹介します。

2026.08.27

体験の流れとジンベエザメの特徴

ジンベエザメの観察海域へ向かう小型ボート。
ジンベエザメの観察海域へ向かう小型ボート。

参加者は受付と事前説明を終えた後、小型ボートで沿岸の観察海域へ向かいます。船上から見学するほか、シュノーケリングで海に入り、全身を使って泳ぐ姿や大きな口から海水を取り込む様子を水中から見ることができます。

ジンベエザメは全長は約8〜10メートルを超える大きな個体でサメの仲間ですが、人を獲物にするのではなく、海水とともに取り込んだプランクトンや小魚などをこし取って食べる「ろ過摂食」の魚です。オスロブで出会うジンベエザメも、施設で飼育されているのではなく、海を回遊する野生動物です。

水面近くを泳ぐジンベエザメ
水面近くを泳ぐジンベエザメ

地域に生まれた新しい生計機会

オスロブのジンベエザメ観光は2011年に始まり、地元の漁業関係者がボートの運航や案内に携わる仕組みへ発展しました。セブ州政府は2026年3月、タナワンの観察施設をセブで特に多くの旅行者が訪れる海洋観光地の一つと位置づけ、住民の生計機会を生み出していると説明しています。

小型ボートの周辺を泳ぐジンベエザメ (写真:Adobe Stock)
小型ボートの周辺を泳ぐジンベエザメ (写真:Adobe Stock)

観光と保全を両立するために

オスロブでは、小型ボートから餌を与えてジンベエザメを観察海域へ誘導しています。観察できる機会を生み出しやすい一方、給餌に伴うジンベエザメの行動変化については研究で報告されており、観光と保全を両立する視点が求められます。

国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでEN(危機)に分類されているジンベエザメの保全のためにも、旅行者一人ひとりが現地のブリーフィング内容を確認し、定められた観察ルールを守ることが、ジンベエザメと共存する持続可能な観光につながります。次に、観察時に守る主なルールを紹介します。    

海中をゆっくり進むジンベエザメ
海中をゆっくり進むジンベエザメ

観察時に旅行者が守るルール

政府の合同通達では、ジンベエザメの体から3メートル、尾から4メートル以上の距離を保ち、近づいてきた場合は急な動きを避けてゆっくり離れるよう定めています。追いかける、触る、乗る、進路をふさぐといった行為は禁止されており、シュノーケリング中はライフジャケットなどの浮力補助具を着用します。

フラッシュ、ストロボ、ビデオライトに加え、自撮り棒、カメラポール、モノポッドも使用できません。水中に入れる人数はガイドと研究者を除き、1頭につき10人までとされ、ジンベエザメの専用観察地点ではスキューバダイビングと水面供給式潜水装置の使用も禁止されています。

海中から見たジンベエザメ
海中から見たジンベエザメ

セブシティ・マクタン島からの行き方

セブシティからオスロブまでは、道路状況にもよりますが車で約4時間が目安です。マクタン島からは出発地や市街地の混雑によってさらに時間がかかるため、午前6時の開始に合わせる日帰り行程では未明の出発となります。例えば、午前3時~4時ごろにホテルを出発する行程もあります。長時間の移動を避けたい場合は、前日にオスロブ周辺へ移動して宿泊する方法もあります。

一般的には、現地旅行会社が主催するジンベエザメツアーを利用すれば移動の心配はありませんが、公共交通機関を利用し自身でオスロブへ向かう場合は、セブ・サウス・バスターミナルから「Bato via Oslob」方面のバスに乗車します。運行時刻、乗り場、運賃は変更されることがあります。

オスロブと南セブの周辺観光スポット

オスロブ中心部の海沿いには、スペイン統治期の石造建築「クアルテル」、見張り塔「バルアルテ」、「無原罪の御宿り」教会が集まっています。ジンベエザメの観察後に立ち寄れば、海の体験とは異なる町の歴史にも触れられます。

オスロブ中心部の海沿いに残る石造りの見張り塔
オスロブ中心部の海沿いに残る石造りの見張り塔

 

オスロブ沖のスミロン島は、潮位や季節によって形や現れ方が変わる砂州で知られています。

オスロブ沖に位置するスミロン島
オスロブ沖に位置するスミロン島

セブ島南西部のバディアン町にあるカワサン滝と組み合わせる行程もありますが、オスロブから島を横断する移動が必要になるため、訪問先の開始時刻と移動時間を確認しておきましょう。

まとめ|地域と海の未来につながる体験へ

オスロブのジンベエザメウォッチングは、大型の野生動物を海中で観察する驚きと、観光が地域の暮らしを支える現実を同時に伝える場所です。その恩恵を将来へつなぎながらジンベエザメへの影響を抑えるには、運営側だけでなく、旅行者も現地の説明を聞き、定められたルールの範囲でここオスロブでしかできない体験を楽しみましょう。    

オスロブ・ジンベエザメウォッチング基本情報

 

所在地:セブ州オスロブ町タナワン沿岸

通常の実施時間:午前6時~10時

1回の観察時間:最長30分

実施状況:海況、天候、ジンベエザメの目撃状況により、休止・短縮・臨時休業となる場合があります。

確認先:オスロブ町観光局の最新案内、当日の受付・ブリーフィング

※実施時間     受付方法は変更される場合があります。

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