奇跡の巨岩 ゴールデンロックを訪ねる

奇跡の巨岩
ゴールデンロックを訪ねる

 

今にも転がり落ちそうな黄金の岩、ゴールデンロックは、ミャンマーの人々が一生に一度は訪れたい、憧れの巡礼地。トラックで山道を登った後は、ローカル感溢れる参道を歩いてゴールデンロックへ足を運び、奇跡の岩が放つ神秘のパワーと自然の驚異に圧倒されましょう。

2024.08.30

ゴールデンロックとは?

ゴールデンロックはヤンゴンの北東約210km、チャイティーヨーの標高1100mの山頂にあります。正式名称は「チャイティーヨー・パゴダ」といい、チャイティーヨーは「隠者の頭にのせた」という意味があります。

かなり不安定に見える岩のバランスが保たれている理由は、岩と地面の間にブッダの聖髪が納められているからと言い伝えられています。胴回りが約25.6m、高さ約6.7mの岩上には、さらに高さ約10.79mのパゴダ(仏塔)が建つ圧巻の大きさ。1975年に起こった大地震でも崩れなかった際は、地元の人々の間でも大きな話題となりました。存在自体が奇跡的なゴールデンロックは、多くの観光客が訪れる注目のスポットです。

山麓の町、キンプンからトラックバスで山頂へ

ゴールデンロックへは、山麓の町キンプンから出発するバスでのアクセス方法が一般的。当日の天候やスケジュールにもよりますが、約40分で山頂へと到着します。トラックは30人以上の乗り合いで、険しい山道を進むアトラクションに乗っているような感覚に。乗り物酔いしやすい方は注意しましょう。また、中腹部のヤテタウンからはゴールデンロックまでのケーブルカーが出ているので、ヤテタウン周辺に宿泊している際やケーブルカーからの絶景を楽しみたいときは利用がおすすめです。

屋根がないトラックが多いので、雨季に訪れる際には雨具を持参しましょう。
屋根がないトラックが多いので、雨季に訪れる際には雨具を持参しましょう。

参道を歩いてゴールデンロックへ

トラックを降りてからゴールデンロックまでは、尾根に沿って徒歩約20分の参道を歩きます。道の両脇には、ローカル感満載のお土産店や食堂などが立ち並んでいて、まるで門前町のような雰囲気。眺めてゆっくり歩いているだけでも楽しい道のりが続きます。これからゴールデンロックへ参拝する地元の人々や、通学途中にゴールデンロックの方向に向かって拝む子供たちの姿も、日常風景の一部として見ることができます。

 

熊の手など、山上ならではの珍しい食材との出合いも。
熊の手など、山上ならではの珍しい食材との出合いも。
担架のような人力カゴでゴールデンロックまで行ける送迎サービスもある。
担架のような人力カゴでゴールデンロックまで行ける送迎サービスもある。

チャイティーヨー・パゴダ(ゴールデンロック)を参拝

ゴールデンロックの入口からは靴を脱いで裸足になります。岩の黄金の輝きが保たれる理由は、参拝客が記念に金箔を貼っていくため。男性は実際に触れたり金箔を貼ることができますが、女人禁制のため、女性は直接触れることはできません。女性は少し離れたテラスなど、別の場所からお祈りを捧げたり、売店で鈴を買って結んで願掛けをすることが一般的です。周辺にはホテルもあるので、一泊して朝日や夕日とゴールデンロックの姿を楽しむのもおすすめの滞在プランです。

金箔や鈴は近くの売店で購入することができる。
金箔や鈴は近くの売店で購入することができる。

ゴールデンロックの伝説

ゴールデンロックには伝説があります。地名であるチャイティーヨーが「隠者の頭にのせた」という意味であることや、岩と地面の間にブッダの聖髪が納められているという言い伝えは、人間と龍の間に生まれた2人の兄弟の存在が大きく関係しています。

兄はタトゥン王国の王で、弟は一度死んだ後、ブッタの仏弟子になりました。2人の育ての親である隠者ティッサは、ブッダの教えを受けた弟を介してブッダの聖髪を手に入れ、自分の髷に納めて大切にしていました。隠者は死に際、王にブッダの聖髪を自分の髷と同じ形をした岩へ納めるように伝えました。王は海底から巨大な岩を引き上げて、チャイティーヨーの山上に運び、それが現在のゴールデンロックとなります。海底から岩を運ぶ際は、インドラ神やナッ神の力を借りたといわれています。

あくまでも伝説ですが、神秘的なパワーを放つゴールデンロックは大自然の山々が生み出すその霊力とともに、ミャンマーの人々をはじめ、多くの人々から篤い信仰を受けています。

 

 

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