太古の自然が息づくランカウイで癒し旅
どこか夢と現実のはざまのような不思議さを感じる島、ランカウイ。 たとえば、にぎやかな繁華街でも、頭上の空にはタカが優雅に舞っていたり、ひかえめの灯りがゆらめく幻想的な夜のさまなど。開発地域を島の35%以下に定めているランカウイは、自然との調和が最優先。手つかずの自然に抱かれる癒しの旅プログラムを紹介します。
五感を取り戻す、マングローブ・カヤックツアー
淡路島の3分2ほどの広さに、約1000種もの動植物が生息しているランカウイ。とくに島北部の沿岸に群生するマングローブ林は、からみあった根が水中の養分を溜めこみ、生命のゆりかごとも呼ばれる豊かな生態系を育んでいます。
このマングローブ林を間近で観察できるのがカヤックツアー。ウェットスーツに着替えてカヤックに乗りこんだら、パドルを手にいざ出発! 波はほとんどなく、専門ガイドの先導に従ってゆっくり進んでいくので、初心者でも安心です。
途中、コウモリの洞窟に潜入したり、いかだの上で夕飯を食べたりと様々なアクティビティも体験。すると、いつの間にか、水のリズミカルな揺れが体になじみ、澄んだ鳥の声が近くに聞こえてきます。自然に丸ごと包まれる時間を過ごすことで、本来のじぶんの感覚が甦ってくるようです。
心が解き放たれる、サンセット・ディナークルーズ
自然をゆっくり愛でたいという人におすすめなのは、サンセット・ディナークルーズ。年齢を問わず、快適なクルーズ船で贅沢な時間を過ごすことができます。
時間とともに色を変えるアンダマン海の空。陸地に目を移すと、世界ジオパークに認定されている熱帯雨林の深い緑。このコントラストがランカウイの象徴的な風景です。また、人気のアクティビティが、海水ジャグジー。船の後方に大きなネットが取り付けられていて、希望者はそのネットに横たわることができます。強烈な波しぶきをダイレクトに浴び、その爽快感たるや興奮ものです。
船上でのディナーはビュッフェ式が主流です。サテー、ナシゴレン、イカンバカール(焼き魚)などマレーシア料理がずらり。絶景を愛でながらの食事は旅の思い出に刻まれること間違いなし。海の恵みなのか、身も心もリラックスし、心地よい開放感に包まれます。
女性ホルモンに働きかける、子宮マッサージ
旅のスパ体験は癒しの定番プログラム。ランカウイの「アルン・アルン・スパ」で体験できるのは、専門のセラピストが提供する子宮ケアのマッサージです。古くからランカウイで施されていた民間療法で、もともとは母が娘に、もしくは技術をもつ村のおばあちゃんが身近にいる女性に施していたのだそう。マッサージをすることで子宮が本来の位置に戻り、ホルモンのバランスが整い、妊活、生理症状の緩和、産後のケアなどで、今でも活用されています。
実際に体験してみたところ、入念に腹部をマッサージされるなかで、ピンポイントで痛い部分があり、血液循環の滞りが原因とのこと。そして施術が終わり、驚いたのが、今まで体験したことがないぐらいの猛烈な眠気! 朦朧とした頭でホテルに戻り、爆睡。 施術を受けたい方は、マッサージ後は予定を入れず、ゆっくりするのがおすすめです。
文・写真: 古川 音 (Oto Furukawa)
写真・情報提供: ランカウイ倶楽部、マレーシアセレクション、株式会社エムアールシージャパン