ルアンパバーンのシンボル
ワット・シェントーン徹底案内

ワット・シェントーンは、世界遺産の古都ルアンパバーンのシンボルともいわれる16世紀建立の仏教寺院。その美しさは国内随一といわれ、ラオスならではの建築様式や高い芸術性を見ることができます。ルアンパバーン観光で真っ先に訪れたい、ワット・シェントーンの見どころを紹介します。

2022.02.04

ワット・シェントーンの歴史

ワット・シェントーンは、ランサーン王朝のセタティラート王により1560年に建立された仏教寺院。シェントーンはルアンパバーンの当時の名称で、「黄金の都」を意味しています。建立者のセタティラート王はチェンマイに都を置くランナー朝の王でもあった人物で、当時はランサーン王国が版図を広げ仏教文化を発展させた時期でした。

同時に1560年は隣国ビルマ軍の侵攻に対する防衛などの理由から、王都をビエンチャンに遷した年でもあります。(この遷都を機に、シェントーンは「パバーン仏の座す場所」を意味するルアンパバーンに改称されたと伝わります。)

セタティラート王は新都ビエンチャンでは王国守護寺院の「タートルアン」、チェンマイから運んだエメラルド仏を安置する「ワット・ホーパケオ」などを次々と建立。今日のラオスを代表する名刹の数々が新旧の都に同時期に造られました。

ビエンチャン遷都後もルアンパバーンは王国発祥の聖地として重視され、ワット・シェントーンでは王の戴冠の儀が執り行われるなど、宗教的な中心地として存続します。
ランサーン王国分裂後の1707年にはルアンパバーン王国が成立し、町はふたたび首都に復活。ワット・シェントーンは王家の庇護のもと発展を続け、数度にわたる他国の侵略を受けながらも増改築を繰り返し、今日に受け継がれています。

ワット・シェントーン Wat Xieng Thong
Khem Khong, Luang Phabang

本堂

境内の中央に位置する本堂はルアンパバーンスタイルとよばれる複数の切妻屋根が重なり合いながら緩やかなカーブを描く姿が印象的。下方の屋根は地面に届くほど低く迫り出し、切妻の頂点にはチョーファーとよばれるエメラルドグリーンの棟飾り、屋根の中央にはドクソーファーとよばれる黄金の尖塔がそびえています。

棟飾りのチョーファーは聖鳥ガルーダの頭を模している
棟飾りのチョーファーは聖鳥ガルーダの頭を模している
17本の尖塔が並ぶドクソーファー。塔の本数は寺院の格を表すという
17本の尖塔が並ぶドクソーファー。塔の本数は寺院の格を表すという

本堂の壁や柱は黒と朱色に塗り分けられ、いずれも金彩のステンシル画による緻密な絵で埋め尽くされています。描かれているのは仏伝図や神々、天界の生き物、王の行軍などさまざま。切妻正面や扉には木彫も施されており、仏像や神像には穏やかで優しいラオスならではの表現を見ることができます。

黒地に金彩で描かれた側壁の装飾
黒地に金彩で描かれた側壁の装飾
神像彫刻はどこかユーモラスな表情が魅力
神像彫刻はどこかユーモラスな表情が魅力

本堂内部は中央に円柱が並ぶ荘厳な雰囲気で、祭壇には黄金の仏座像が鎮座。天井まで隙間なく施された内部の装飾も見ごたえがあります。

本尊を中心に数々の仏像が並ぶ
本尊を中心に数々の仏像が並ぶ
法輪や輪廻図を描いた天井画
法輪や輪廻図を描いた天井画

黄金の木

本堂背面の外壁には「マイトーン(黄金の木)」とよばれる色鮮やかなモザイク画が施されています。かつてこの場所に高さ160mの大樹が立っていたという言い伝えにより、1960年代に制作されました。黄金の木は宇宙の軸である「生命の木」にもたとえられ、その上に仏教の世界が支えられている様を表しているといわれています。

赤堂(レッドチャペル)

本堂の南西側の後ろに立つ小さな祠堂で、16世紀にセタティラート王によって納められた貴重な寝仏像が安置されています。外壁は赤く塗られており、正面には切妻のブッダの剃髪シーンをはじめとする仏伝記の主要なシーンが金色の浮き彫りで描かれています。

また、側面の壁は色ガラスを用いたモザイク画がみごと。これはブッダ生誕2500年を記念して1956年頃に制作されたもので、ルアンパバーンの田園生活や祭事の様子が生き生きと描かれています。

霊柩車庫

ルアンパバーン王国の最後の国王であり、初代ラオス国王も務めたシーサワンウォン王の葬儀に用いられた霊柩車が納められた建物で、王が亡くなった1959年に建設された比較的新しい建物です。内部には黄金の竜をモチーフにした豪華な霊柩車のほか、数多くの仏像が納められています。

7頭の竜が王の棺を守っている
7頭の竜が王の棺を守っている
すらりとしたルアンパバーンスタイルの仏像が並ぶ
すらりとしたルアンパバーンスタイルの仏像が並ぶ

他にも境内には三蔵経を納めた経蔵や、ガラスの装飾がすばらしい立像堂など見どころが多彩。また、多くの出家僧が生活する僧房もあり、早朝には托鉢の列を見ることができます。

参道の名物麺

ワット・シェントーンの出入口は3か所あり、サッカリン通り側の参道入口には、ラオスの名物麺カオ・ピヤックの人気店があります。米麺をトロトロのスープでいただくカオ・ピヤックは朝食の定番メニューで、寺院参拝の前後に訪れる人々で賑わっています。

また、反対側になるメコン川沿いのケムコーン通りに面した入口では、門を守るユニークな獅子像が迎えてくれます。

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