乗りもの満載カンボジア!!
一般車両から手作り感が溢れる個性的な乗りものまで

カンボジア国内には一般的な車両から個性的なものまで、さまざまな乗りものが走っています。乗りものに関する法律はありますが、特有の事情もあり、地域によっていろいろな乗りもの文化が発展してきました。カンボジアで活躍している乗りものを紹介します。

2022.02.22

市内移動の強い味方5選

一般的に、カンボジアの家庭では、一家に最低1台バイクか車を所持していて、短距離の移動は自家用車やバイクの利用が多くなります。日差しの強い日中に、徒歩での移動は大変なこともあり、タクシー利用も盛んです。

トゥクトゥク

バイクが荷台を牽引するタイプとオートリクシャータイプがあります。牽引タイプのトゥクトゥクは、バイクの後ろにつけるアタッチメントから荷台まですべて手作りのため、車両によって構造や色など運転手の個性が反映されます。また一度に4人以上乗ることも可能なうえ、大量の荷物を運ぶことも可能です。それに対し、ここ数年で急激に増加したオートリクシャータイプの定員は2~3名となり、フードで周りが覆われているため少し狭く感じます。以前は、道路脇で客待ちをしている運転手と直接料金交渉をするのが一般的でしたが、最近ではスマホを使った配車アプリが普及しており、目的地の説明はもちろん、悪徳な請求も激減し、とても便利。料金は都市や使用するアプリにより異なりますが、初乗り料金2500~4000リエル程度(70~120円程度)とは別に、1kmにつき1000~2000リエル程度(30~60円程度)というのが相場です。ただし、観光時は貸切となり、料金交渉が必要です。

バイクタクシー(モトドップ)

近距離の気軽な移動に使われます。市場の近くや大通りの角で待機をしていますが、トゥクトゥクの人気に押され、少しずつ減少してきています。町を歩いていると遠くから声をかけられることも多く、手をふり乗車希望の合図をすると自分のいる場所まで来てくれます。料金は交渉制で、トゥクトゥクより少し安い程度ですが、渋滞時には便利です。

タクシー

メーター制のタクシーは首都プノンペン以外の地方都市ではほとんど見かけません。また、プノンペンでは配車アプリを利用して呼ぶのが一般的です。風雨、気温、排ガス、砂埃の影響を受けず、エアコンも完備されているので、数ブロックであればトゥクトゥク、移動距離が長くなりそうな時や雨天の時はタクシーというように使い分けると良いでしょう。
料金は都市や使用するアプリにより異なりますが、初乗り料金5000リエル~(150円程度)とは別に、1kmにつき2000リエル~(60円程度)というのが相場です。ただし、観光時は貸切となるため、料金交渉が必要となります。また、メーター制ではない半日、1日単位での利用の場合はホテルや旅行会社で手配することができます。

路線バス(プノンペンのみ)

路線バスは2014年にプノンペンで運行が開始され、2020年からは17路線が運行しています。運行間隔は5~20分に1本で、乗車運賃は一律1500リエル(45円程度)のため、市内移動の乗り物の中では最安値といえます。さらに70歳以上の高齢者や身長100cm未満の幼児、障がい者、僧侶、教師、学生は無料で乗車できるため、学生の利用が特に多いです。ルートの決まった通勤・通学に大変便利な乗りもので、朝夕の交通渋滞が激しいプノンペンにおいて公共交通機関は渋滞の緩和にも役立っています。
*コロナ禍に入り、運行車両数は減少されています。

シクロ

主にプノンペンの市場近くで利用されていて、三輪の自転車の前方に乗客用の座席があります。運行速度は遅く、座席からは視界を遮るものがないため、町の様子を眺めたり、写真を撮るのに最適です。現在は、地元の利用者は減少し、主に観光客向けの乗りものとなっています。観光コースの場合、距離と時間により異なりますが、1時間ほどの乗車だと$5程度です。

 

 

州を越える長距離の移動手段5選

プノンペン都と24の州で構成されるカンボジアは、陸路での移動が一般的でしたが、近年は鉄道や空路も発展してきています。

バス

公営の長距離バスはなく、私営のバス会社が数社運行しています。旅行者に人気が高いシェムリアップ~プノンペン線の料金は、バスの設備や時間等によって変わりますが、通常の席だと$6~、ベッドタイプのホテルバスだと$11~となります。路線上であれば出発地以外の途中乗車や途中下車も可能ですが、その場合は事前に伝えておく必要があります。またタイやベトナム、ラオスまで続く国際便も運行されています。

タクシー

乗り合いタクシーだと、1席当たりの金額を払い、、チャーターだと1台借り切っての移動ができます。バスと比べると休憩時間も短く、速度も速いため目的地まで早く到着できます。手配する場合は、目的地別に分かれた長距離タクシー乗り場に行くか、旅行会社での手配が一般的です。

ピックアップトラック

荷台に荷物と人を乗せて走ります。タクシーより定員が多いため料金は安くなりますが、砂埃が多いことと乗り心地もよくないため利用者は減っています。現在はごく一部の地方都市間での利用となり、主要都市ではほとんど見かけなくなりました。

鉄道

2016年に14年ぶりに復旧したカンボジア鉄道。カンボジアの国内旅行ブームもあり、また自転車やバイク、車も一緒に運べるということもあり、学生旅行や家族旅行での利用者が増加しています。首都のプノンペンからタイとの国境があるポイペトへ向かう南北線、プノンペンからタケオ州、カンポット州を経由し、シハヌークビルへと繋がる東西線の2つのルートがあります。料金は目的地により異なりますが、片道$4から楽しめます。主に週末のみ、1日1便のため、バスに比べると利便性は低いですが、カンボジアののどかな景色を楽しみながら、のんびりとした旅が満喫できます。

飛行機

国内ではシェムリアップ-プノンペン、シェムリアップ-シハヌークビル、そしてプノンペン-シハヌークビルの路線があります。陸路の場合、5時間前後かかるシェムリアップ・プノンペン間の移動がフライトの場合約30分と大幅な時間短縮が可能です。料金は$80~程度ですが、キャンペーン時には$30程度のこともあります。
*コロナ禍のため現在運休している航空会社、路線があります。

 

 

地方の乗りもの 4選

カンボジアの地方では都市部に比べるとゆっくりと時間が流れています。

牛車

都市部ではほぼ見かけることがなくなりました。人が移動するためというよりはかさ張る荷物を運ぶついでに人も乗車することが多いです。水牛が荷台を引く場合と、牛が引く場合があります。シェムリアップではバコン寺院の近くで観光用の牛車が運行されています。

トラクター

農作業用の耕運機に手作りの荷台を取り付けて走ります。荷物を運ぶこともあるので座席はついていないことが多く荷台の中に座るか荷台の縁に腰掛けます。速度は少し遅いですが20人近い人が一度に乗ることができます。小さな村と村の移動や、イベント時の移動によく利用されています。

ルモー

地方では通勤やイベント時の人の移動に利用されるほか、荷物の運搬用として利用されます。馬力のあるバイクが、座席代わりの板を敷いた少し長めの荷台を牽引するといったスタイルです。

ボート

カンボジアにはメコン河や、東南アジア最大の湖であるトンレサップ湖もあり、水上集落での移動時に利用されています。水上生活を行う人々の家には、船外機付きの小型のボートや手漕ぎボートが一家に1~2隻あり、買い物や通学時に利用されています。

 

 

 

ここでは紹介していない変わった乗り物もまだまだありますが、今回は比較的観光客の方も目にしやすい乗り物をご紹介しました。

文・写真: クロマーツアーズ

カンボジア
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