トゥンヤイ‐ファイ・カ・ケン野生生物保護区自然遺産
ミャンマーとの国境に60万ヘクタールにわたり広がる保護区には、東南アジア大陸特有の種々の森林形態がほぼ手付かずの状態で残っています。一帯には大型哺乳類の77パーセント(特にトラと象)、大型鳥類の50パーセントなど、種々多様な動物が生息しています。
古都スコタイと周辺の古都文化遺産
13世紀から14世紀にタイ最初の王朝がこの地に栄えました。タイ式建築の始まりの例証ともいえる数々の素晴らしい遺跡があります。スコタイと同時に、シーサチャナーライ、ガムペーンペットも世界遺産に登録されました。
古都アユタヤと周辺の古都文化遺産
1350年ごろから、18世紀にビルマ軍に侵攻されるまで栄えたアユタヤ王国時代の遺跡です。仏塔や壮大な僧院などの遺跡から、当時の華やかさがしのばれます。
バン・チェン遺跡文化遺産
東南アジアで発見された先史時代の居住区の遺跡のなかでも非常に重要なこの遺跡は、人類の文化、社会、技術がどのように発展していったかを知るのに貴重な情報をもたらしてくれました。地域一帯で最古の農業、製造、そして銅器の使用に関する発掘物が出土しました。
ドンパヤイェン‐カオヤイ森林地帯自然遺産
東はカンボジア国境近くのタプラヤ国立公園から西はカオヤイ国立公園まで、230キロにわたって広がる森林地帯です。標高100メートルから1351メートルにおよぶ起伏の多い山岳地帯で、全6155平方キロの面積のうち75平方キロは標高1000メートル以上です。北側にはメコン河支流のムン川への支流が流れ、南側には数多くの景勝に富んだ滝や峡谷、そしてプラチンブリ川に注ぐ4つの急流があります。
この森林地帯には112種の哺乳類(うち2種はテナガザル)、392種の鳥類、200種の爬虫類・両生類など、800種以上の動物が生息しています。これら動物種のうち24種は絶滅危惧種で、国際的に絶滅の危機に瀕している種の保護という観点からも重要です。この森林地帯には、こうした動物が長期に生息し続けられるような充分かつ重要な熱帯雨林の生態系がみられます。
ケーンクラチャン森林郡自然遺産
ケーンクラチャン森林郡は面積が464,000ヘクタールあり、プラチュアップキリカン県、ペッチャブリー県、ラーチャブリー県の3県にまたがるタイ最大の国立公園です。
ケーンクラチャン森林郡は、半常緑樹と湿った常緑樹が優勢で、落葉樹林、山地林、落葉性フタバガキ林が混在しています。世界的に絶滅の危機に瀕している鳥類、シャムワニ、野生犬などの絶滅危急種の他、トラ、スナドリネコ、ウンピョウ、マーブルキャット、ジャングルキャット、ベンガルヤマネコなど、絶滅危惧種の猫が生息しており、生物多様性に富んでいます。
写真・テキスト参照:タイ国政府観光庁
古代都市シーテープと関連するドヴァーラヴァディー遺跡群文化遺産
内郭と外郭を堀で囲まれた双子都市、巨大な古代遺跡カオ・クラン・ノック、古代遺跡カオ・タモラット洞窟の3つの部分から構成された遺跡群です。
これらの遺跡は、6世紀から10世紀にかけてタイの中部で栄えたドヴァーラヴァティー帝国の建築、芸術的伝統、宗教的多様性を表現しており、インドからの影響を物語っています。この土地に適応されたこれらの伝統は、シー・テープ派として知られる新しい芸術を生み出し、後に東南アジアの他の文明に影響を与えました。
写真提供:タイ国政府観光庁
プー・プラ・バート歴史公園文化遺産
7世紀から11世紀にかけて続いたドヴァーラヴァティー時代のセーマ石(仏教僧侶や尼僧が儀式を行うための聖域を示す境界石)が残る歴史公園です。氷河の侵食によって形成された巨石の遺跡には、人間の肖像、手のひら、動物や幾何学的な模様が描かれています。プー・プラ・バート歴史公園は7世紀には仏教の祭事場として利用されており、現在もセーマ石が良好な状態で保存されています。石の表面に描かれた絵は約2,000年間の人間生活の有形の証拠として残されています。
写真提供:タイ国政府観光庁