絶景とコモドドラゴンが招く世界遺産
コモド国立公園へ

目の覚めるようなピンクビーチ、個性的な地形のパダール島など、豊かな海の絶景の宝庫ともいえるのが、コモド国立公園。 生きた恐竜とも言われる世界最大級のトカゲ「コモドドラゴン」を間近に観察できるのも貴重な体験です。

2023.03.31

ラブハンバジョーからスピードボートで出かける海の国立公園

東ヌサテンガラ州にあるコモド国立公園は、コモド島、パダール島、リンチャ島をはじめ29の島々を含む海の国立公園。近年開発が進み、次代の観光地として注目されています。

 

バリ島のデンパサール空港からは、国内線で約90分。通称コモド空港と呼ばれるフローレス島のラブハンバジョー空港が、コモド国立公園への玄関口です。コモド国立公園内のさまざまなポイントへは、ラブハンバジョーの港やホテルから、スピードボートでアクセスするのが一般的。ゆったりとした旅なら、帆船で巡ることもできます。

青く輝く海を眺めながら、スピードボートで島々を巡るツアーへ。
青く輝く海を眺めながら、スピードボートで島々を巡るツアーへ。
ラブハンバジョーからパダール島までは、スピードボートで約1時間半。
ラブハンバジョーからパダール島までは、スピードボートで約1時間半。

パダール島の絶景展望台を目指してトレッキング

パダール島の入江。静かで、のんびりとした空気が流れる。
パダール島の入江。静かで、のんびりとした空気が流れる。

パダール島はSNSでも人気の絶景スポット。静かで美しい入り江に船が到着すると、島の頂上付近まで、急な階段を登っていきます。

山頂の展望台では、腰を下ろして絶景をしばし眺めていたくなる。
山頂の展望台では、腰を下ろして絶景をしばし眺めていたくなる。

島には、太陽を遮る植物はなし。水分補給も忘れずに。暑さの中、約20分あまりトレッキングをして、ちょっと息が切れかけたころに山頂に到着します。さあ後ろを振りかえってみましょう。 
目の前に広がるのは、3つの湾が島を削ってでき上がった、美しくも不思議な絶景。海の青も、心に染み入る美しさです。どれだけ写真を撮っていても、飽きることがありません。

 

天然のピンクビーチは裸足で歩きたい

エメラルド色の透明な海と、ピンク色の砂浜のコンビネーションが美しい。
エメラルド色の透明な海と、ピンク色の砂浜のコンビネーションが美しい。

山頂から降りたら、次にボートで訪れるのはピンクビーチ。インドネシア語では、パンタイ・メラ(赤い海)と言われる天然の絶景ビーチです。淡いピンク色が続く長いビーチと、エメラルドに輝く透明な海の組み合わせは、本当にフォトジェニック!

砂浜には、赤い色のサンゴも見つかる。
砂浜には、赤い色のサンゴも見つかる。

ピンクの色味は、このあたりに生息する赤い色のサンゴが砕けて砂のようになり、白砂と混ざってピンク色になったものです。ピンク色のビーチは、パダール島だけではなく、コモド島をはじめ国立公園内に数カ所あります。裸足でピンク色の砂の上を歩くのはとてもロマンティックな気分。

 

「生きた恐竜」コモドドラゴンを観察

リンチャ島のコモドドラゴン生息地へと向かうゲート。
リンチャ島のコモドドラゴン生息地へと向かうゲート。

コモド国立公園を訪れたら、ぜひ観察したいのが、世界最大のトカゲであるコモドドラゴン。全長2~3メートル、平均体重は約70キロで、大きなものは体重100キロにもなるという巨大なコモドドラゴンは、まるで小さな恐竜のようです。ウロコに覆われた皮膚や、時速約20キロの速度で走ることができる発達した脚などから、「生きた恐竜」とも言われています。

生息地は、コモド国立公園内の4島のみで、推定約5,000頭のうち、コモド島とリンチャ島にその約半数が生息しているとされます。

生息地に立ち入る際には、必ず地元の専任ガイドが同行する。
生息地に立ち入る際には、必ず地元の専任ガイドが同行する。

コモドドラゴンの生息地を訪れると、まずは、現地の専任ガイドが、ルートや注意事項を説明してくれます。コモドドラゴンの口には、獲物を噛んだ時に、失血によるショック状態を引き起こす毒があるのだとか。人間も襲われる恐れがあり危険なので、決してコドモドラゴンには近づかないように気をつけます。

リンチャ島の生息地では、管理事務所の脇にゴロリとしているコモドドラゴンが、たくさん……まるで、飼い犬か何かのようです。2匹で格闘している個体は、思いの他アクティブで力強い動き。野生の水牛を倒して、ゆったりと食事をしている個体もいました。間近でコモドドラゴンを観察する体験は、なんとも貴重。島の野生と間近で向き合う時間です。

野生の水牛を食べていたコモドドラゴンも発見。
野生の水牛を食べていたコモドドラゴンも発見。
暑い日中は、日陰で寝ていることも多い。
暑い日中は、日陰で寝ていることも多い。

他にもツアーによっては、白砂の美しい小さな無人島タカ マカッサルや遠浅のサンゴ礁で気軽にシュノーケリングが楽しめるカナワ島にも立ち寄ります。

コモド国立公園では、多彩な海の自然を、最短なら1日でもたっぷりと満喫できてしまいます。

 

 

文・写真 : 坪田三千代 (Michiyo Tsubota)

インドネシア
BACK TO TOP