活気あふれる首都
プノンペンのおすすめスポット
メコン川とトンレサップ川が交わる場所に形成された首都プノンペン。かつて「東洋のパリ」と謳われた美しい街並みは、1970年代に始まった内戦により荒廃しましたが、今日の経済成長とともに活気ある都市に発展しています。カンボジアの歴史や文化を伝える見どころをはじめ、買い物や食の楽しみも多彩なプノンペンのおすすめスポットを紹介します。
王宮
ノロドム国王が1866年に首都をウドンからプノンペンに遷した際に建造し、シソワット王の代となる1919年に黄金色に輝く現在の姿に改築されました。現在もシハモニ現国王の住居兼公務の場であるため、基本的に内部は公開されていませんが、前庭から壮麗な建築群を見ることができます。見どころは2万リエル紙幣にも描かれる即位殿で、高さ59mの尖塔をいただく多層屋根がみごと。入場はできませんが、開かれた窓から内部を見学できます。
シルバーパゴダ
王宮の南側に隣接する王室の菩提寺で、王室の仏教行事が行われました。本殿床に5000枚を超える銀板が敷き詰められていることからシルバーパゴダまたは銀寺の名で知られています。クメール語の名称はワット・プレア・ケオ・モラコット(エメラルド仏寺院)。その名のとおり小さなエメラルドの仏像が安置されています。その他にも、仏像や宝物など約1650点が納められています。
ワット・プノン
クメール語で「丘の寺」という意味をもつ、プノンペン屈指の歴史ある寺院。14世紀末のこと、この地の豪族ペン氏の夫人が、メコン川の流れの中に一体の仏像を発見。この仏像を安置するために、街の中心地にある小高い丘の上にお堂を建てました。これがワット・プノンだといわれています。特徴的なクメール建築の本堂には黄金の仏像が安置され、壁面には仏陀の一生が描かれています。本堂裏手には、ペン夫人の像を祀った祠があります。
また、この丘は夫人にちなんで「プノン・ペン(ペン夫人の丘)」とよばれるようになり、やがて町の名前となっています。
国立博物館
王宮の北側に隣接する、クメール芸術の殿堂。カンボジア各地から収集したクメール芸術の最高傑作が一堂に展示されています。展示内容はアンコール王朝時代とその前後で分けられていて、前期コーナーではカンボジア独特のシヴァとヴィシュヌが一体化したハリハラ神像を見ることができます。アンコール期では、絶頂期に君臨したジャヤヴァルマン7世の瞑想する像が必見です。後期には、かつての王族が使った豪華な生活用品が展示されています。
トゥールスレン刑務所博物館
1975年から4年弱続いたポル・ポト政権下、虐殺前に激しい拷問が行われたという場所が、以前は高校の校舎であった建物を転用したトゥールスレン刑務所。2万人以上がここで拷問を受けたといわれています。脱走を防ぐための鉄条網や独房、尋問室は当時のままに保たれ、拷問の様子を描いた生々しい絵や拷問器具なども展示。この地で発見された人々の頭蓋骨、虐殺前に撮影されたという処刑された人々の顔写真などもあり、過去のあやまちを繰り返さぬよう、虐殺の凄惨さを伝えています。
キリング・フィールド
ポル・ポト政権時代、トゥールスレン刑務所に収容された者の多くは所内で拷問を受けた後、プノンペン市街から南西へ約15km離れたチュンエクと呼ばれるこの地へ移送、処刑されました。遺体は大きく掘られた穴に次々と放り込まれたとされています。そのため、この地はキリング・フィールドと呼ばれるようになりました。現在、穴は一部が掘り返されて、発見された約9000体の遺骨が新設された慰霊塔に収められています。
独立記念塔
1953年11月9日のフランスからの独立を記念して建てられた塔。繁華街の中心地であるシアヌーク通りとノロドム通りが交わるロータリーにあり、プノンペンのシンボルとなっています。
セントラルマーケット
フランス統治下にあった1937年に誕生した巨大なマーケットで、中央にあるユニークな形状のドーム、そこから四方に建物が伸びるというフレンチスタイルの建築様式が特徴です。中央部のドーム下には貴金属やジュエリーの店が並び、四方には生鮮品や衣料品、生活雑貨などを扱う店が軒を連ねています。民芸品などカンボジアらしい土産物も見つかります。
シソワットキー
王宮や国立博物館にも近いトンレサップ川沿いに延びる通りで、カフェやレストラン、ホテルが集まっています。川を望むテラス席を設けるカフェやバーが多く、整備された遊歩道は散歩にぴったり。涼しくなる夕方は特に賑わいます。通りの北側では毎晩ナイトマーケットが開催され、お土産探しにも最適です。